探究学習
PYPエキシビション
Student Led Conference
Student Led Conference (SLC)とは、IBが提案する「学びをアセスメントして共有する」方法のひとつで、ご家族をはじめ、子どもたち一人ひとりの学びを取り巻く人々と会話やアクティビティを通して、子どもたち自身が1年間の学びを共有し、振り返る、年間の学びの集大成です。
スタイルや構成、共有の内容に至るまで、SLCの実施方法は学校や子どもたち一人ひとりによってさまざまで、個性に溢れています。当学園では例年、探究学習と各教科の学びのハイライトを子どもたち自身が選択し、楽しく振り返り、共有します。
ご家族の皆様を教室にお招きし、子どもたち自身が厳選した内容を、子どもたち主導の下、プレゼンテーションやゲームなどの方法で保護者へ共有していきます。
ご家族の皆様に、じっくりとご覧いただき、日頃の子どもたちの頑張りや、年間を通じての大きな成長を共に喜びます。ご家族の皆様には喜びの思いを具体的に子どもたちに直接伝えていただくことが、子どもたちの今後の成長にとって重要です。
ELA
英語力をつけるためには一人ひとりの子どもたちには異なったニーズがあります。そのニーズに対応して、関西国際学園ではEnglish Language Arts (ELA:英語言語学習)とEnglish as a Second Language (ESL:英語を第二言語として習得)を融合した英語カリキュラムを構築しています。
クラス担任とESL専任講師がチームとなって、フォニックス、スペル、読み書き、スピーキング、リスニング、文法、流暢さの向上などの英語力をつけるために必要な基本的な言語の構造を指導します。
さらに、週に1回は1グループ4人の子どもに対して1人のESL講師がつき、個々の子どもに必要な発音指導や少人数グループでよりたくさん話す機会を作ることで自信をもって話すことを促します。
関西国際学園では、IB PYPの英語学習指針とケンブリッジ大学監修のESLカリキュラムを融合した独自のELA/ESLカリキュラムを構築しています。この独自の英語カリキュラムは、英語を学ぶことはもちろん、英語で学ぶ他の学習領域と関連付けて言語を習得することを目的としており、特に探究学習に必要な語彙を増やしたり、言語スキルを身につけることで概念を深く掘り下げて学ぶことができ、総合的な学習を充実させることができます。
英語検定
初等部では、学園全体の英語のカリキュラムの向上と、子どもたち一人ひとりの英語力のアセスメント材料として「MAP Growth」を採用しています。全児童に必須として実施される、「MAP Growth」のほか、任意で「TOEFL Junior」と「TOEFL Primary Step2」を学内受験できるシステムをご用意しています。
| MAP Growth | 全員 | 学期ごと年2回 |
| TOEFL Primary Step 2 | 小学1〜3年生 (任意) | 7月 1月 |
| TOEFL Junior | 小学4〜6年生 (任意) | 7月 1月 |
英語イベント
- Summer School(サマースクール)
- Recitation Olympic(暗唱オリンピック)
- Speech Contest(スピーチコンテスト)
- School Production(スクールプロダクション)
- Spelling Bee(スペリングビー)
- Study Abroad in NZ(ニュージーランド留学)
スピーチコンテスト
毎年4年生以上の児童を対象にスピーチコンテストが開催されます。テーマを元に発表内容を創作し、友達や保護者の前でTEDトークスタイルのプレゼンテーションを行います。これまでにも子どもたちは、クリエイティビティ、リーダーシップ、共感、尊敬、誠実、自信などのテーマでスピーチコンテストに臨みました。スピーチの内容を書き、互いに校正し合い、プレゼンテーションの準備と練習を重ね、ブラックボックスシアターでの発表に繋げます。
スピーチコンテストでの経験は、プレゼンテーションの作成スキル、英語のスピーキングスキルの向上はもちろんのこと、書く力の向上、ICTスキルを使ってプレゼンテーションをすることと、そして何より自信をつけることに繋がります。
日本語
バイリンガル教育を目指す関西国際学園では、日本語の習得にも力を入れて取り組んでいます。日本の学習指導要領の指針を取り入れつつ、漢字や文法、読み書きの基本的なスキルを探究学習のユニットと関連させながら学習します。
書く意欲を高め、表現力を養う取り組みの一環として「作家の時間」を取り入れています。テーマが決まっている作文とは違い、子どもたちは書きたいことを書きたいように表現します。
材料集め、下書き、修正、校正、清書、出版という「作家のサイクル」に沿って作品を仕上げます。子どもたちの作品は、クラス、学年の枠を超えて、「月刊 作家の時間」という出版物になり、どの学年の児童も手に取って読むことができます。
また、「作家の時間」の集大成として毎年行われる「作家大賞」には、一年生から六年生までの子どもたちの作品が集まります。「作家大賞」の優秀作品は実際に製本され、図書室に寄贈されており、初等部の子どもたちに親しまれています。
算数
算数の授業は、外国人担任と日本人担任がチームとなり、英語と日本語の両言語で指導します。クラスの中でさまざまなグループ分けを取り入れ、子どもたちが両言語で算数の概念を理解することを目指しています。算数の取り組みは教科融合型で、探究のテーマに沿って学習の単元を進めます。日本の学習指導要領とIB PYPの算数学習指針を融合した関西国際学園独自の算数カリキュラムを構築しています。初等教育で必要な基本的な算数の単元学習を網羅し、さらに算数のスキルを使って、日英どちらの言語でも他の学習内容に活用する応用力をつけることを目指しています。
「今日のさんすうはむずかしかったけど、みんなのせつめいをきいたらどうやってやるかわかりました。」
「わたしはとけいマスターになれそうです。とけいのこともっとならいたいです!」(算数3年生単元「時間と時こく」より)
これらはある算数のクラスで子どもが書いた振り返りです。関西国際学園では友達との関わりの中で主体的に学ぶ算数を大切にしています。
「算数」と聞けば、「計算が速くできる」や「公式を知っている」など知識面や技能面に偏りがちです。「良い点をとるための算数」ではなく、「コミュニケーションを通して、考え楽しむ算数」を目指しています。
ただ単に教師が「教えたいこと」を教えるのではなく子どもたちが「学びたいこと」に焦点をあてます。例えば、玉入れゲームの公平さを考える場面から円の学習につなげたり、ジオボードでの形作りから面積の学習につなげたりします。探究的な要素を取り入れ、子どもたち同士で話し合いながら授業を進めていきます。
探究的な算数で考えを深めると、振り返りの時間でたくさんの気づきや考えを書くことができます。自分が学んだことを言葉や図などを使いながら表現していきます。このような振り返りでは「今日の算数は楽しかったです。またしたいです。」というただの感想文はほとんどありません。子どもたちが深く考えた授業では、深い振り返りが可能となり、思考力もどんどん深まっていきます。
パフォーミングアーツ
関西国際学園のパフォーミング・アートは、演劇・音楽・ダンスだけにとどまらず、ランゲージ・アート(言語)、ヴィジュアル・アート(美術)など、幅広いアートの側面を経験することで、他の誰とも違う、自分だけの表現方法を存分に探究し、身につけることを目的としています。
スクールプロダクション
School Productionでは、学園全体が一丸となって舞台を作り上げます。
2015年に「ウィンター・セレブレーション」として始まり、子どもたちの創造力を発揮する場として歴史を重ねてきました。
舞台公演は秋から冬にかけて開催されますが、その準備は約半年間かけて行われます。
1年生から3年生は、舞台に立つこと、人前で表現すること、お友達の発表を観て応援し、自分の表現に生かすことを主に学びます。体全体で、力いっぱい表現することを純粋に楽しむ子どもたちは、この年齢ならではの「型にはまらない表現力」を発揮します。
3年生以上は、公演全体を通して、ストーリーをつなぐナレーターを、オーディションで選びます。
さらに、4年生から6年生ではオーディションにより、演出・プロデューサー・役者・ダンス振り付け・メイク/コスチュームデザイン・舞台美術・サウンドメーカー・スクリプトライターのいずれかのチームに所属します。
舞台美術においては、コンテストで選ばれた子どもたちの背景デザインが、5m × 9mの巨大なバックドロップとして舞台に現れます。このバックドロップは、サマースクールで子どもたちがペイントする他、保護者の皆様のボランティアによって手作りで作成されます。自分たちが制作した作品が、大きな舞台の背景としてあらわれる体験もまた、大きな自信に繋がっていきます。
さらに、舞台づくりのプロセスにおいて必要なスキルは、クラスの探究学習に結びつくように配慮されています。例えば「意思決定」についてのユニットに取り組む学年では、舞台作りにおいて、個人・組織としてどのように意思決定がなされるべきかを、探究しながら学びが深められます。
クラス・学年を超え、先生や保護者など大人との共同作業を通して、一人の人間として考え、助け合い、励まし合って一つの物を作り上げる中で、社会的スキルを養います。舞台本番だけではなく、その過程の中でこその学びや、その過程で得た自信が、School Productionの何より大きな成果であると考えています。
ICT
関西国際学園の教科融合型カリキュラムにとってICTの活用は核となる要素です。自らの学びを深めるため、子どもたちはICTスキルを駆使しています。そのためには使えるようになるだけではなく、どのように効果的に使うことができるのか、そのスキルをどのように身につけていくのか、など自ら考え学ぶことが求められます。
当学園では1年生からiPadを使って、協力して課題に取り組んだり、創作したり、リサーチをしたり、デザインをしたり、プログラミングをしたり、作成したドキュメント等を共有したりなど、毎日の学習にさまざまな面で活用しています。
また、初等部では1年生からプログラミングとロボット工学にも力を入れています。ICTの授業やICTを活用することで、子どもたちのクリエイティビティや問題解決能力を伸ばすことができ、それが一人ひとりの子どもたちが総合的な学びを深めることにつながり、さまざまな方法で学んだことを表現することに繋がると考えています。
ICTカリキュラムの学習領域
初等教育におけるICTカリキュラムは、デバイスの持ち方や取り扱い方法の理解、プライベート情報の安全管理、初期のプログラミングスキル、インターネットで情報を検索する際の効果的なテクニックの使い方など、基本的なスキルを指導する6年間の計画として 構築されています。